前回の英検で準2級に合格した小学4年生のSくんは、次回1月実施の英検で2級に挑戦することにしました。
コロナ禍でやる気がなくなってしまった生徒がいる一方、Sくんはこの1年で集中力も理解力もグンっと上がりました。ここから計画的にレッスンを進めていけば、2級、準1級と力がついていくはずです。
Sくんは英語保育を受けた生徒なので、簡単な日常会話であれば意思疎通ができます。
英語保育を受けた生徒は他にも数名いますが、共通しているのが語彙力が乏しく、また覚えようとする意欲も低いです。語彙力が不足していると、耳から自然に習得した文法力があっても、長文を読むとなると部分的にしか理解できず、誤った解釈をしてしまいます。
また英語保育出身の生徒を教えていて驚いたのは、長文問題などの英検の過去問をさせてみると、内容を全く読まず読んだフリをして4択の中から適当に答えを選んでいたことです。読書も好きでなく、学習意欲も低いと語彙力と長文の読解力はなかなか伸びません。
しかしSくんはそのハードルを乗り越えつつあり、文法の質問なども自らするようになりました。
語彙強化のために、教室ではアルク出版の『キクタン』を導入しました。
これはこれまで英語に触れたことのない小学生にもおすすめです。CD付きか音声ダウンロードになっているので、発音も正しく学べます。何よりスピーカーが元気がよく曲調も明るくて声と音にうるさいゆか先生も好きです。
英検2級を目指すにはレベルは低いですが、後半にいくほど難易度は上がり、2級にも使われる単語は含まれますし、次のレベルの単語を覚えるにも、まずはこれを覚えないと進めません。
単語はコツコツと学習することにして、次に点数を落としたくない長文の学習方法です。
小学生にとって英検の級が上がるにつれ、長文の話の内容がとてもつまらないものになります。環境、経済、テクノロジー、医療に興味津々な小学生はそんなにいないと思います。大人もそうですが、自分に身近でないことは興味がありません。
今回は英検の過去問からLava Maeを選びました。(2級の過去問は公式サイトhttps://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_2/solutions.htmlで閲覧できます)
小学生には文字の小ささが気になってしまう児童もいるため、レッスンでは拡大して学習しています。
この問題に取り組む前に、興味を引き出すために質問を投げかけました。
- Do you know what homeless is? – Yes.
- Have you seen homeless people? – Yes.
- If you were homeless, what do you think would be the biggest problem? – house, food
東京で見た光景をもとに積極的に返答がありました。
そして次にこのYouTube動画を見ました。
ナレーションは聴き取りやすい英語ですが、ホームレスの人たちの英語は少々訛りがあり聴き取りづらいですが、Sくんは真剣に見ていました。
動画を見てから、一緒にパラグラフごとに読み、理解をしていきます。
動画を見た後だったからか、長文問題を目にしたときの嫌そうな態度はありませんでした。
知らない単語も同時に学習します。
選択肢の中にtravelという動詞の単語がありますが、Sくんのtravelの定義が「旅行する」しかないため、正しく読み取れません。
ケンブリッジ辞書によると、
1. to make a journey, usually over a long distance
2. to move or go from one place to another
Cambridge Dictionary
とあります。
楽しい旅のことだけでなく、単に物理的に移動するという意味も含まれています。
第3パラグラフの内容は難しく感じたようですが、説明とヒントをもとに全問正解しました。
きっとこっちの動画の方が長文の理解に助けになったかもしれない・・・。
アメリカの貧困の差は激しいです。新型コロナウイルスがアメリカで猛威を奮っている原因はここにもありそうです。
長文の勉強は数でなく質で攻めていきます!
そのためにゆか先生も勉強します。